そんなプロテインを「どの程度の量飲むのが最適なのか?」という疑問について、イギリスのシェフィールド・ハラム大学でスポーツ栄養学を教えるデビッド・ロジャーソン氏が解説しています。
タンパク質は人体の全細胞に含まれており、細胞組織の構築や修復、ホルモンや酵素の産生などに使われており、その重要性から脂質・炭水化物とともに三大栄養素と呼ばれています。
そんなタンパク質を豊富に含む健康食品が「プロテイン」です。プロテインに含まれるタンパク質や必須アミノ酸を摂取した後には、筋肉を修復して肥大化させるという「筋タンパク質合成」という効果が生じることから、「強度の高いトレーニングで筋肉を損傷させた後、プロテインを飲んで筋タンパク質合成を引き起こす」という鍛え方が効率的だと考えられてきました。
そのため、トレーニング愛好者はプロテインで効率的にタンパク質を摂取することを好んでおり、2019年のヨーロッパの研究では、スポーツジム利用者の半数以上がプロテインを摂取しているという調査結果が報告されています。
ロジャーソン氏は、トレーニング後にタンパク質を摂取すると筋肉が発達するという研究を引用して、「トレーニング後にプロテインを摂取することは効果がある」ことを確実視しています。一方で、ロジャーソン氏は、「1食あたり何グラムのタンパク質を摂取するべきなのかについてはいまだに議論が続いている」と指摘しています。
近年の通説は、「トレーニング直後に20gから25gのタンパク質を摂取するのが最適」というもの。この通説は、タンパク質を摂取した直後の90分間から120分間だけ筋タンパク質合成が活発化するという説と、25gより多くのタンパク質を摂取しても、エネルギーとして使用されるか尿として体外に排出されてしまうという説が元になっています。しかし、ロジャーソン氏は、「この通説はホエイタンパク質に限られる可能性があります」と解説しました。
ロジャーソン氏によると、ホエイタンパク質を摂取すると短時間で血中アミノ酸がピークに達する一方で、牛乳のタンパク質の主成分であるカゼインタンパク質を摂取すると血中アミノ酸の増加量は遅く、筋タンパク質合成が持続的に引き起こされることが判明しているとのこと。また、ホエイタンパク質は20gより多く摂取するとエネルギーとして分解されてしまいますが、分解されないタンパク質も存在するとのこと。
食事ではホエイタンパク質以外のタンパク質が摂取できるので、ロジャーソン氏は、「プロテインではなく食事で摂取するならば、20gを超える量を摂取しても大丈夫です」と述べました。食事によってタンパク質を摂取する場合は、1食あたり40gまでならばほとんどの人にとって問題ないとのこと。
一方で、「プロテインを摂取する利点は筋肉増強だけではありません」とロジャーソン氏は指摘。ホエイタンパク質は食欲を抑えるホルモンを放出して満腹感を持続させるため、スナックなどの間食を控えさせてくれる効果がある上に、筋肉を強く保つ効果もあります。この効果はプロテインではなく肉などの食べ物でも得られると示されていますが、プロテインは摂取しやすいという点で効率的だとロジャーソン氏は述べています。
ロジャーソン氏によると、1日に摂取すべきタンパク質の目安は、通常ならば「体重×0.8g」、筋肉増強を目的としたトレーニングの後は、「体重×1.4g~2.0g」が理想的とのこと。体重60kgの人ならば、通常時は1日48gを、トレーニングをした日には84gから120gのタンパク質を摂取するべきということになります。ロジャーソン氏はこの摂取量について、「基本的には食事によってこの量のタンパク質を摂取すべき」と述べながらも、「推奨摂取量に届かないのならば、プロテインを飲むべきですね」とコメントしています。
https://gigazine.net/news/20200124-how-much-body-actually-use-protein/
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
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