うつを患う成人は記憶やストレス反応において重要な役割を果たす海馬が縮む、ということがこれまでの研究で明らかにされています。
新たな研究では、チームスポーツに参加する少年はこの海馬が大きく、9~11歳の間でうつを患う傾向が小さいことが示されました。
Involvement in Sports, Hippocampal Volume, and Depressive Symptoms in Children – ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2451902219300254?via%3Dihub
How team sports change a child’s brain | The Source | Washington University in St. Louis
https://source.wustl.edu/2019/03/how-team-sports-change-a-childs-brain/
この研究を行ったのは、セントルイス・ワシントン大学で人文科学分野から認知神経科学を研究するLisa Gorham氏らの研究チーム。
Gorham氏らは、アメリカにおける子どもの脳の発達と健康を調査する長期的研究「ADOLESCENT BRAIN COGNITIVE DEVELOPMENT STUDY(ABCD研究)」
に参加した9~11歳の子ども4191人を対象に調査を実施。研究において子どもたちの両親は、子どもがスポーツやスポーツ以外の活動を行っているのかという情報や、
うつの症状の有無、脳スキャンといった情報を提供していました。
Gorham氏は「私たちは、音楽やアートといった活動ではなく、『スポーツへの参加』が少年・少女たちの海馬の大きさと関連しており、
また少年たちのうつ傾向とも関連性があることを発見しました」「この研究は、『スポーツに参加すること』『脳の特定部位の大きさ』『年少の子どものうつ症状』
という3つの関連性を描いたという点で非常に重要です」と述べています。
上記のような相関関係は形式的でない日常的なスポーツに参加する子どもよりも、学校のチームや地域のリーグといった組織的なスポーツに
参加している子どもに特に強くみられたとのこと。このことから、社会的な相互の人間関係や、定期的にスポーツ活動を行うことなどが、
海馬にとってより有益である可能性が考えられます。
一方、少女たちの「スポーツ参加」と「海馬の大きさ」に関連性はみられたものの、少年たちのようにはうつの症状との関連は見当たらなかったとのこと。
研究者たちはこの点について、少女とうつとの関係には別の要素が働いているのか、もしくは関連性が後年になってから出てくる可能性もある、とみています。
ただし、今回の研究結果は因果関係ではなく、あくまで関連性が発見されたという点に注意。
「チームスポーツへの参加が海馬を大きくしてうつの傾向を減らす」のか、それとも「うつの傾向が高い子どもがスポーツへ参加せず海馬も小さいのか」
ということははっきりしていません。今後の研究でこれら詳細が明らかになれば、少年少女に対し、うつ病予防のためにチームスポーツを奨励することの
強力な証拠が得られると考えられています。
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
【研究】チームスポーツする少年は脳に違って、”うつ”の傾向が小さいことが判明!!!