お金がないけど離婚したい!貯金ゼロでも動ける方法と手順を解説

お金がないけど離婚したい!貯金ゼロでも動ける方法と手順を解説 マネーコラム

貯金がない、収入がない、それでも今の結婚生活を続けることが限界——。そう感じているなら、「お金がないから離婚できない」という思い込みから先に手放す必要があります。専業主婦やパート主婦でも、制度を使えば離婚に向けて動き出せます。

この記事では、お金がないけど離婚したいと悩む方に向けて、離婚にかかる費用・もらえるお金・今すぐ使える公的制度・具体的な手順を順番に整理します。まずは「何ができるか」を知るところから始めましょう。

  1. お金がないけど離婚したいとは?この状況に当てはまる人の特徴
    1. 離婚を決意しているのにお金がないとはどういう状況か
    2. 専業主婦・無収入・パート主婦に多いケースとは
    3. 「お金がないから離婚できない」は思い込みかもしれない理由とは
  2. 離婚にかかる費用はいくら?種類別の相場とは
    1. 協議離婚・調停離婚・裁判離婚の手続き費用の違いとは
    2. 引っ越し・新居の初期費用はどれくらいかかるか
    3. 弁護士費用の相場と着手金・報酬金の仕組みとは
  3. 離婚でもらえるお金の種類と相場とは
    1. 財産分与とは?専業主婦でも半分受け取れる理由とは
    2. 慰謝料を請求できるケースと相場とは
    3. 養育費・婚姻費用・年金分割で受け取れる金額のめやすとは
  4. 別居前に受け取れる生活費「婚姻費用」とは
    1. 婚姻費用とはどういうお金か
    2. 婚姻費用を請求するタイミングと方法とは
    3. 相手が払わないときに取れる手段とは
  5. お金がなくても弁護士に依頼できる「法テラス」とは
    1. 法テラスを利用できる条件(収入・資産基準)とは
    2. 費用立替制度の仕組みと月5,000円返済の実態とは
    3. 法テラスに相談する前に準備しておくことは何か
  6. 貯金ゼロ・収入ゼロでも離婚を進める具体的な手順とは
    1. まず財産の記録と証拠保全をする理由とは
    2. 婚姻費用を請求してから別居に動く順序とは
    3. 協議離婚を目指しながら弁護士に相談するステップとは
  7. DV・モラハラ被害者がお金なしで今すぐ離婚する方法とは
    1. DVシェルターとはどんな場所か・利用手順とは
    2. 配偶者暴力相談支援センターに連絡すると何が起こるか
    3. 住民票の移動・保護命令の申立とは何か
  8. 離婚後に使える公的支援制度の一覧とは
    1. 児童扶養手当の支給額と申請方法とは
    2. 住居確保給付金・公営住宅の優遇制度とは
    3. 生活保護を申請できる条件と受給の流れとは
  9. 離婚後の住まいをお金なしで確保する方法とは
    1. 実家を頼る選択肢のメリット・デメリットとは
    2. 敷金・礼金なし物件・フリーレント物件とは何か
    3. ひとり親向け公営住宅への申込み優遇制度とは
  10. 離婚前に相手が財産を隠していたら?確認する方法とは
    1. 財産分与の対象になる財産をリストアップする方法とは
    2. 弁護士会照会を使って財産を調べる方法とは
    3. 別居前に通帳・保険証券の情報を控えるべき理由とは
  11. 離婚後に経済的に自立するための準備とは
    1. 就職・パート探しを始めるタイミングとは
    2. マザーズハローワークとはどんなサービスか
    3. 資格・スキル取得の支援制度(母子家庭等自立支援給付金)とは
  12. 離婚を先延ばしにするとどうなるか?リスクとは
    1. 財産分与の時効・請求期限に関する注意点とは
    2. 別居後の財産が分与対象外になるタイミングとは
    3. 先延ばしが子どもの生活に影響する可能性とは
  13. 共同親権の法改正で何が変わったか(2025年施行)
    1. 共同親権とは何か・どのような場合に適用されるか
    2. DV・虐待があるケースで共同親権になるリスクとは
    3. 共同親権に反対したい場合に取れる手続きとは
  14. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 専業主婦でも財産分与を受け取れるのか?
    2. Q. 離婚調停にお金がかかりすぎる場合どうすればよいか?
    3. Q. 夫が離婚に同意しない場合、どうやって離婚できるか?
    4. Q. 子どもを連れて今すぐ家を出たい場合、最初にすべきことは何か?
    5. Q. 法テラスの収入基準は具体的にいくらか?
  15. まとめ
    1. 参考文献

お金がないけど離婚したいとは?この状況に当てはまる人の特徴

「離婚したい」という気持ちはあるのに、現実的に動けない。そんな状態に陥っている人は思っているより多くいます。何が壁になっているのかを整理するところから始めます。

離婚を決意しているのにお金がないとはどういう状況か

ここで言う「お金がない」とは、離婚後すぐに生活できる貯金がない状態を指します。引っ越し費用がない、敷金・礼金が払えない、弁護士に頼む余裕もない——そうした状態です。

離婚を決めても、動くための元手がなければ一歩が踏み出しにくいのは事実です。しかし、その「お金」は必ずしも自分で用意しなければいけないわけではありません。

専業主婦・無収入・パート主婦に多いケースとは

離婚したいけどできないと感じている女性の65.8%が「経済的な自立ができない」を理由に挙げています。(第一生命アンケート調査より)

特に専業主婦は夫の収入に依存しているため、離婚を切り出すことで生活費が止まるリスクを恐れます。パート主婦も収入が低く、単独で家賃を払える見通しが立たないケースが多いです。

「お金がないから離婚できない」は思い込みかもしれない理由とは

「お金がないと離婚できない」は正確ではありません。離婚することで受け取れるお金があるからです。

財産分与・慰謝料・婚姻費用・養育費、これらは離婚前後に請求できる可能性があります。制度を正しく使えば、手持ちがゼロでも離婚に向けて動き出せます。

離婚にかかる費用はいくら?種類別の相場とは

「離婚するにはいくらかかるか」という問いに対して、答えは手続きの方法によって大きく変わります。状況に合わせて選ぶことが、費用を抑えるポイントです。

協議離婚・調停離婚・裁判離婚の手続き費用の違いとは

離婚の方法には3種類あります。費用の差は以下のとおりです。

方法 手続きの費用
協議離婚 基本0円(離婚届の提出のみ)
調停離婚 申立費用1,200円+切手代など合計3,000〜5,000円程度
裁判離婚 訴訟費用1〜3万円程度(内容による)

夫婦が話し合いで合意できれば、離婚手続きそのものにはほとんどお金がかかりません。

ただし、合意内容を公正証書にする場合は数万円の公証役場費用がかかります。後のトラブルを防ぐために、公正証書化は強くおすすめします。

引っ越し・新居の初期費用はどれくらいかかるか

離婚後に別居する場合は、引っ越し費用・敷金・礼金・家賃1〜2か月分の前払いが発生します。地域や物件によりますが、合計20〜50万円程度が目安です。

これが「お金がない」と感じる最大の原因になります。ただし、敷金・礼金なし物件や公営住宅を選ぶことで大幅に抑えられます。後のセクションで具体的な方法を紹介します。

弁護士費用の相場と着手金・報酬金の仕組みとは

弁護士に依頼すると、着手金10〜30万円+報酬金10〜30万円が目安です。財産分与などで金銭的な利益を得た場合は、その5〜10%程度が追加報酬になることもあります。

相談料は1時間5,000〜10,000円が相場ですが、初回無料の事務所も多くあります。「弁護士費用が払えない」場合は、次のセクションで紹介する法テラスを利用することで実質0円から動けます。

離婚でもらえるお金の種類と相場とは

離婚を「損をする手続き」だと思っている人がいますが、実際は受け取れるお金のほうが大きいケースも少なくありません。種類ごとに整理します。

財産分与とは?専業主婦でも半分受け取れる理由とは

財産分与とは、婚姻中に夫婦が築いた財産を離婚時に分け合う制度です。原則として2分の1ずつが基本です。

専業主婦でも財産分与の割合は変わりません。家事・育児も夫の収入を支えた貢献とみなされるためです。

例えば夫名義の預貯金・不動産・車・保険・退職金(見込み分)も対象になります。婚姻前から持っていた財産(特有財産)は対象外です。

財産分与の対象になるもの 対象にならないもの
婚姻中の預貯金・不動産・自動車・保険 婚姻前からの財産・相続で得た財産
婚姻後に取得した株・有価証券 ギャンブルなど個人的な借金

慰謝料を請求できるケースと相場とは

慰謝料は、相手の不法行為によって精神的苦痛を受けた場合に請求できます。

請求できる主なケース:

  • 不貞行為(浮気・不倫):相場50〜300万円
  • DV・モラハラ:相場50〜200万円
  • 悪意の遺棄(生活費を渡さないなど):相場50〜200万円
  • セックスレスの強制:相場50〜200万円程度

ただし、証拠がなければ請求が認められにくいです。別居前の証拠保全が非常に重要になります。

養育費・婚姻費用・年金分割で受け取れる金額のめやすとは

子どもがいる場合に受け取れる養育費は、夫婦の年収と子どもの年齢・人数によって異なります。裁判所の養育費算定表(令和元年改定版)が基準です。

婚姻費用は別居中に夫から受け取れる生活費です。収入差があれば毎月数万〜十数万円の請求が可能です。

年金分割は将来の年金額を増やす制度です。婚姻期間が長い熟年離婚では特に重要で、離婚後2年以内に手続きが必要です。

別居前に受け取れる生活費「婚姻費用」とは

離婚が成立する前でも、生活費を請求できる制度があります。これを知らずに別居してしまうと、受け取れるはずのお金を逃すことになります。

婚姻費用とはどういうお金か

婚姻費用とは、別居中に収入の多い側が少ない側へ支払う生活費のことです。夫婦には互いに生活水準を維持し合う義務(相互扶助義務)があるため、別居後も法的に請求できます。

子どもを連れて別居した場合は、子どもの生活費も含めて請求できます。金額は裁判所の算定表を基に計算されます。

婚姻費用を請求するタイミングと方法とは

婚姻費用は「請求した時点」から認められるのが原則です。別居後に時間が経ってから請求しても、過去にさかのぼっては受け取れません。

請求方法は、夫への直接連絡か、家庭裁判所への婚姻費用分担請求調停の申立です。相手が応じない場合はすぐに調停申立に進むのが確実です。

内容証明郵便で請求の意思を示すことで、請求開始時点の記録を残せます。

相手が払わないときに取れる手段とは

調停で婚姻費用が決まっても支払いを拒む場合は、給与や預金の差し押さえが可能です。調停調書には強制執行力があります。

弁護士なしでも申立はできますが、相手が非協力的な場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。

お金がなくても弁護士に依頼できる「法テラス」とは

弁護士に頼みたいけどお金がない——そんな状況を想定して設けられた国の制度が法テラスです。知らないまま諦めている人がいますが、活用できるケースは多いです。

法テラスを利用できる条件(収入・資産基準)とは

法テラスの民事法律扶助制度を利用するには、収入と資産が一定基準以下である必要があります。

例として、単身者の場合は月収約18.2万円以下が目安です(2025年時点。家族構成で変わります)。基準は定期的に見直されるため、実際の利用前に法テラスへ直接確認することをおすすめします。

専業主婦で無収入であれば、ほぼ条件を満たせます。

費用立替制度の仕組みと月5,000円返済の実態とは

法テラスが弁護士費用を立て替え、その金額を後から月5,000円〜の無金利分割払いで返済します。

相談料・着手金・実費を含めて法テラスが負担するため、手元資金がゼロでも弁護士に依頼できます。

生活保護受給中の場合は、返済が猶予・免除される場合もあります。

法テラスに相談する前に準備しておくことは何か

相談時にスムーズに進めるために、以下を事前にまとめておくとよいです。

  • 世帯の月収・資産状況のメモ
  • 離婚の経緯と主な問題点の整理
  • 相手の収入・財産の情報(わかる範囲で)
  • DV・モラハラがある場合はその記録

法テラスの電話番号は「0570-078374」です。平日9時〜21時、土曜9時〜17時に対応しています。

貯金ゼロ・収入ゼロでも離婚を進める具体的な手順とは

「何から手をつければよいかわからない」という状態が一番動けない原因です。順番通りに進めることで、迷いが減ります。

まず財産の記録と証拠保全をする理由とは

離婚を切り出す前に、夫婦の財産を記録しておくことが非常に重要です。相手が離婚を知ると、財産を隠したり名義変更したりするリスクがあります。

別居前に通帳・保険証券・不動産の登記情報・給与明細のコピーを手元に残しておくことが、財産分与を正しく受け取るための第一歩です。

スマートフォンで撮影するだけでも構いません。記録の日付が残るように注意してください。

婚姻費用を請求してから別居に動く順序とは

動き出す際の基本的な順序は以下のとおりです。

  1. 財産・証拠の記録と保全
  2. 法テラスまたは無料法律相談で状況確認
  3. 婚姻費用分担の調停申立(必要に応じて)
  4. 別居先の確保(次のセクション参照)
  5. 離婚の交渉開始

婚姻費用の請求は別居と同時か、それより前に動かすのが鉄則です。別居後に時間をおいてから請求しても、過去分は原則もらえません。

協議離婚を目指しながら弁護士に相談するステップとは

費用を抑えたいなら、まず協議離婚(話し合いでの合意)を目指します。ただし、相手が話し合いに応じなかったり、合意内容で不利な条件を押しつけられそうな場合は弁護士の介入が有効です。

法テラスを利用すれば費用の心配は不要です。早い段階で一度相談に行くことで、交渉の方針が明確になります。

DV・モラハラ被害者がお金なしで今すぐ離婚する方法とは

DVやモラハラの被害を受けている場合は、一般的な離婚の手順とは異なる対応が必要です。安全の確保が最優先です。

DVシェルターとはどんな場所か・利用手順とは

DVシェルターとは、暴力から逃れるための一時保護施設です。所在地は非公開で、入居者の安全を守るために場所は公表されていません。

費用は無料で、生活用品の提供や生活相談も受けられます。入居期間の目安は数週間〜数か月程度ですが、その間に次の住まいや生活基盤を整えることができます。

配偶者暴力相談支援センターに連絡すると何が起こるか

DVシェルターを探す場合は、直接探すのではなく「配偶者暴力相談支援センター」か「女性相談センター」に電話するのが正しい手順です。

「DV相談ナビ」(#8008)に電話すると、お住まいの地域の相談窓口につながります。24時間対応の「DV相談+」(0120-279-889)もあります。

相談員が状況を聞いた上で、シェルターへの保護手続きを進めてくれます。

住民票の移動・保護命令の申立とは何か

シェルターに移った後は、住民票の閲覧制限(DV支援措置)を市区町村に申請できます。これにより、相手に新住所が知られることを防げます。

保護命令とは、裁判所が相手に接近を禁止する命令です。違反すると罰則があります。申立先は地方裁判所で、弁護士なしでも申立は可能です。

離婚後に使える公的支援制度の一覧とは

離婚後はひとり親として使える支援制度が複数あります。申請しないと受け取れない制度ばかりなので、事前に知っておくことが重要です。

児童扶養手当の支給額と申請方法とは

児童扶養手当は、ひとり親家庭の子どもに支給される手当です。子どもが18歳になった後の最初の3月31日まで受け取れます。

支給額は所得によって変わります。2024年度の満額は月額45,500円(子ども1人の場合)です。毎年物価に応じて改定されます。

申請先は市区町村の窓口です。離婚届を出した後、なるべく早く手続きに行きましょう。

住居確保給付金・公営住宅の優遇制度とは

住居確保給付金は、離職などにより住まいを失うおそれがある人に家賃相当額を一定期間支給する制度です。申請先は市区町村の自立相談支援機関です。

公営住宅(都営・県営・市営住宅)はひとり親世帯が入居選考で優遇される自治体が多く、家賃が民間より大幅に安く設定されています。

入居倍率が高い地域もありますが、まず申込みを検討する価値があります。

生活保護を申請できる条件と受給の流れとは

生活保護は、収入と資産が最低生活費を下回る場合に申請できます。条件を満たすなら申請は国民の権利であり、遠慮する必要はありません。

申請先は市区町村の福祉事務所です。申請後、調査を経て約14日以内に結果が通知されます。受給中は就労支援を受けながら自立を目指す仕組みになっています。

離婚後の住まいをお金なしで確保する方法とは

住む場所の確保は、離婚後の生活再建の中で最初の壁になります。選択肢を知っておけば、焦らず動けます。

実家を頼る選択肢のメリット・デメリットとは

実家への転居は、初期費用がかからず精神的な安定も得やすいです。敷金・礼金・家賃が不要になるため、経済的な余裕を作りやすいです。

一方で、子どもの学校環境が変わる・プライバシーの問題・親との価値観の摩擦など、生活上のストレスが生じることもあります。長期間の居候になる場合は、費用負担や生活ルールを事前に決めておくとトラブルを防げます。

敷金・礼金なし物件・フリーレント物件とは何か

敷金・礼金なし(ゼロゼロ物件)や、入居後一定期間の家賃が無料になるフリーレント物件は、初期費用を大幅に抑えられます。

ゼロゼロ物件は初期費用を下げられますが、退去時に高額の費用を請求されるケースもあります。契約前に原状回復の条件を必ず確認してください。

ひとり親向け公営住宅への申込み優遇制度とは

多くの自治体では、ひとり親世帯に対して公営住宅の優先入居・ポイント加算などの優遇措置を設けています。家賃は収入に応じて設定されるため、低収入でも無理なく住める点が大きなメリットです。

申込みは各自治体の住宅課や住宅供給公社に問い合わせてください。空き状況は定期的に変わるため、早めに確認することをおすすめします。

離婚前に相手が財産を隠していたら?確認する方法とは

財産分与を正しく受け取るためには、相手が財産を隠していないかを確認する必要があります。知らないまま離婚してしまうと、受け取れるはずの金額を大きく損します。

財産分与の対象になる財産をリストアップする方法とは

まず自分でできることは、婚姻中に存在する財産をリストアップすることです。

  • 夫婦の銀行口座の通帳(コピーや写真)
  • 不動産の登記情報(法務局で取得可能)
  • 生命保険・学資保険の証書
  • 車の車検証
  • 株・有価証券の残高証明

別居前に手の届く書類を記録しておくことが、後の交渉で最大の武器になります。

弁護士会照会を使って財産を調べる方法とは

相手が財産を隠している疑いがある場合、弁護士を通じて弁護士会照会を利用できます。これは弁護士が金融機関に対して預貯金の照会を行える制度です。

弁護士への依頼が必要ですが、法テラスを利用すれば費用の心配は不要です。通帳が見当たらない・財産の全容が把握できていない場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

別居前に通帳・保険証券の情報を控えるべき理由とは

「別居する」と相手に伝わった途端に、財産が動くリスクがあります。預金を別口座に移す・保険を解約する・不動産を処分するといったことは実際に起きています。

一度でも「証拠がない」と言われた財産は、分与の交渉が非常に難しくなります。記録は別居を伝える前に済ませておくことが原則です。

離婚後に経済的に自立するための準備とは

離婚は終わりではなく、新しい生活の始まりです。経済的な自立に向けた準備は、できるだけ早く始めるほど選択肢が広がります。

就職・パート探しを始めるタイミングとは

離婚後の収入は生活の安定に直結します。別居中から就職活動を始めることを強くおすすめします。婚姻費用を受け取りながら就活できる期間は、生活基盤を作る絶好のタイミングです。

ブランクがあっても、近年は再就職を支援する事業所や制度が整っています。最初から好条件を求めすぎず、まずは経験を積む視点で動き始めることが大切です。

マザーズハローワークとはどんなサービスか

マザーズハローワーク(またはマザーズコーナー)は、子育て中の女性を対象にした専門の就職支援窓口です。キッズコーナーを備えた施設も多く、子連れで相談できます。

専属のキャリアアドバイザーが子育てと両立しやすい求人を紹介するため、子どもを抱えたひとり親に特に向いている窓口です。お住まいの地域のハローワークに問い合わせると、マザーズコーナーの有無を確認できます。

資格・スキル取得の支援制度(母子家庭等自立支援給付金)とは

ひとり親家庭を対象に、資格取得のための訓練費用を給付する母子家庭等自立支援給付金制度があります。看護師・介護福祉士・保育士など特定の資格取得を目指す際に活用できます。

申請先は市区町村の窓口です。訓練期間中の生活費を補助する「高等職業訓練促進給付金」も並行して利用できるため、長期の学習も現実的に取り組めます。

離婚を先延ばしにするとどうなるか?リスクとは

「もう少し準備してから」と時間をかけすぎることで、受け取れるお金が減ったり、手続きができなくなることがあります。具体的なリスクを確認しておきます。

財産分与の時効・請求期限に関する注意点とは

財産分与の請求権は、離婚が成立した日から2年で消滅します(民法768条2項)。離婚後に「やっぱり請求したい」と思っても、2年を過ぎると原則として請求できません。

慰謝料の請求期限は、離婚原因を知った日から3年です。時効が来てから後悔しないよう、離婚成立と同時に取り決めを済ませることが重要です。

別居後の財産が分与対象外になるタイミングとは

財産分与の対象は、原則として別居時点の財産です。別居後に相手が働いて得た収入は、分与の対象になりません。

一方で、別居後に自分が得た収入も相手への分与対象から外れます。別居のタイミングと財産状況は、分与額に直結します。特に財産が多い夫婦は、弁護士に相談してから別居の時期を決めることをおすすめします。

先延ばしが子どもの生活に影響する可能性とは

不和な家庭環境が続くことは、子どもの精神的な安定に影響を与えることがあります。離婚を先延ばしにすることが「子どものため」とは必ずしも言えません。

また、離婚が長引くほど双方のストレスが蓄積し、交渉の雰囲気が悪化することもあります。決断を先延ばしにするメリットと、動き出すことのメリットを冷静に比較することが大切です。

共同親権の法改正で何が変わったか(2025年施行)

2024年に民法が改正され、2025年5月から共同親権制度が施行されています。離婚を検討している方は、この変化を正確に理解しておく必要があります。

共同親権とは何か・どのような場合に適用されるか

これまで日本の離婚後の親権は、父か母のどちらか一方が持つ単独親権のみでした。改正民法により、離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権が選べるようになりました。

離婚協議で合意できれば単独・共同どちらでも選択できます。合意できない場合は家庭裁判所が判断します。

DV・虐待があるケースで共同親権になるリスクとは

DVや虐待がある場合には、家庭裁判所が単独親権を選ぶ判断をすることが明記されています。しかし、証拠がなければ裁判所が適切に判断できないリスクもあります。

DV被害のある方は、証拠(診断書・相談記録・写真など)を早めに保全しておくことが重要です。弁護士に相談して対応を決めることをおすすめします。

共同親権に反対したい場合に取れる手続きとは

相手が共同親権を求めてきた場合でも、DV・虐待・高葛藤など裁判所が定める事由があれば単独親権が認められます。

調停・審判の場で主張するためには、事前の記録と弁護士のサポートが不可欠です。2025年施行の新制度なため、弁護士によっても知識の差があります。離婚問題に詳しい弁護士に相談することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 専業主婦でも財産分与を受け取れるのか?

受け取れます。財産分与は名義や収入ではなく「夫婦共同で築いた財産かどうか」で決まります。

家事・育児は夫の収入を支えた貢献として評価されるため、専業主婦でも原則2分の1の分与を受ける権利があります。婚姻期間中に積み上げた財産が多いほど、受け取れる金額も大きくなります。

Q. 離婚調停にお金がかかりすぎる場合どうすればよいか?

法テラスの費用立替制度を利用することで、弁護士費用・申立費用を立て替えてもらえます。

返済は月5,000円〜の無金利分割です。収入・資産が基準以下であれば利用できます。まずは「0570-078374」に電話して収入状況を伝えてください。

Q. 夫が離婚に同意しない場合、どうやって離婚できるか?

話し合いで合意できなければ、離婚調停(家庭裁判所)を申し立てます。調停でも合意できない場合は離婚裁判に進む流れになります。

裁判では、不貞・DV・3年以上の別居など法定の離婚原因があれば、相手が同意しなくても離婚が認められます。専門家に相談しながら手順を踏むことが重要です。

Q. 子どもを連れて今すぐ家を出たい場合、最初にすべきことは何か?

最優先は安全な場所の確保です。DVがある場合は、まずDV相談ナビ(#8008)か女性相談センターに電話してください。

DVがない場合は、実家・友人宅・シェアハウスなど仮の住まいを確保した上で、婚姻費用の請求・法テラスへの相談・財産記録の確保を順番に進めます。

Q. 法テラスの収入基準は具体的にいくらか?

単身世帯で月収約18.2万円以下(手取り)が目安です。子どもや配偶者がいる場合は基準が上がります。

資産についても基準があり、概ね180万円以下が目安です。ただし基準は定期的に変わるため、利用前に必ず法テラスへ直接確認してください。

まとめ

「お金がないから離婚できない」という壁は、制度を知ることで崩せます。婚姻費用・財産分与・法テラスの3つを組み合わせれば、手元資金ゼロでも動き始めることは可能です。

一方で、動き出すタイミングが遅れるほど財産分与の対象が減り、時効のリスクも近づきます。証拠保全と財産の記録は、離婚を相手に伝える前に済ませることが原則です。2025年に施行された共同親権制度の影響もあるため、できるだけ早く離婚問題に詳しい弁護士または法テラスに相談することが、結果的に受け取れるお金を最大化し、スムーズな離婚につながります。

参考文献

  • 「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究(令和元年)」- 裁判所
  • 「法テラスの業務・費用立替制度の概要」- 日本司法支援センター(法テラス)
  • 「児童扶養手当制度の概要」- こども家庭庁
  • 「離婚したいけどお金がない!離婚の費用&対処法を徹底解説!」- アトム法律事務所弁護士法人
  • 「【専業主婦の方必見】離婚したいけどお金がない…不安を減らし離婚する方法」- アディーレ法律事務所
  • 「離婚したいけれどお金がない!専業主婦が受け取れる生活費などのお金について解説」- 弁護士法人レイスター法律事務所
  • 「財産分与|専業主婦でも半分もらえる理由」- 弁護士法人DREAM
  • 「離婚をしたいけどお金がない場合どうすればよい?」- 石井法律事務所