お金を返さない人の7つの特徴とは?見分け方と取り返す方法も解説

お金を返さない人の7つの特徴とは?見分け方と取り返す方法も解説 マネーコラム

お金を返さない人には、いくつかの共通したクセがあります。貸す前に気づければ、面倒なトラブルを避けられます。すでに貸してしまった後でも、相手を見分けるポイントは役に立ちます。まずは相手の行動パターンを知ることから始めましょう。

この記事では、お金を返さない人の特徴を7つにまとめました。返さない心理や理由、返ってこないときの対処法もあわせて紹介します。借用書がない場合の証拠の集め方や、時効の注意点まで触れています。読み終えるころには、次にとるべき一歩が見えてきます。

  1. お金を返さない人とは?まず知っておきたい前提
    1. 「返せない人」と「返さない人」はどう違うのか?
    2. 貸し借りトラブルが起きやすい金額と関係性
    3. この記事でわかることと読み進め方
  2. お金を返さない人に共通する7つの特徴
    1. 1. 時間や約束にルーズで小さな約束を守らない
    2. 2. 金銭感覚が大雑把で計画性がない
    3. 3. 返済の話になると連絡が途絶える
    4. 4. 言い訳や責任転嫁が多い
    5. 5. 過去にも貸し借りトラブルの噂がある
    6. 6. 収入に見合わない見栄やプライドがある
    7. 7. 「お金ができたら返す」と返済期限を曖昧にする
  3. お金を返さない人の心理とは?
    1. 「借りたもの」より「もらったもの」と感じてしまう心理
    2. 催促されない限り返さなくてよいという甘え
    3. 返さないこと自体に歪んだ満足を覚えるタイプ
  4. なぜお金を返さないのか?よくある理由
    1. 経済的に困窮して返したくても返せない
    2. 優先順位が低く返済を後回しにしている
    3. そもそも贈与だと誤認している
  5. お金を返さない人が迎えやすい末路
    1. 周囲の信頼を失い人間関係が壊れる
    2. 新たに貸してもらえず孤立していく
    3. 法的措置で財産を差し押さえられる
  6. お金が返ってこないときの対処法【段階別】
    1. まずは記録を残して冷静に督促する
    2. 返済計画の再提案や分割に応じる
    3. 内容証明郵便で正式に請求する
  7. 法的手段でお金を取り返す方法
    1. 民事調停と支払督促の違い
    2. 少額訴訟が使えるケースと費用の目安
    3. 弁護士・司法書士に依頼する判断基準
  8. 借用書がなくてもお金は取り返せるのか?
    1. 証拠になるもの(LINE・振込履歴・録音)
    2. 口約束でも貸金契約は成立する
    3. 証拠が乏しいときにできること
  9. 知らないと損する「消滅時効」の注意点
    1. 2020年の民法改正で時効は原則どう変わったか
    2. 個人間の貸し借りでも時効は成立する
    3. 時効を止める更新・完成猶予の方法
  10. もうトラブルを繰り返さないための予防策
    1. あげるつもりの金額しか貸さない
    2. 借用書と返済期日を必ず決めておく
    3. 関係性より条件を優先して断る
  11. よくある質問(FAQ)
    1. 少額でも訴えることはできますか?
    2. お金を返さない相手を警察に相談できますか?
    3. 「お金がない」と言われたら諦めるしかないですか?
    4. 借りたお金を返さないのは罪になりますか?
    5. 連絡が取れなくなった相手から回収する方法はありますか?
  12. まとめ
    1. 参考文献

お金を返さない人とは?まず知っておきたい前提

「お金を返さない人」と聞くと、悪意のある人を思い浮かべるかもしれません。でも実際は、悪気のないタイプも多くいます。まずは言葉の整理から始めましょう。ここを押さえると、特徴の話がぐっとわかりやすくなります。

「返せない人」と「返さない人」はどう違うのか?

お金が戻らない相手は、大きく2つに分かれます。返したくても返せない人と、返せるのに返さない人です。前者は収入や生活が苦しい状態です。後者は、お金はあるのに優先順位を下げているだけです。

この区別はとても大切です。相手が「返せない」のか「返さない」のかで、取るべき対応が変わります。返せない人には返済計画の相談が向いています。返さない人には、はっきりとした請求が効きます。見極めを間違えると、こじれる原因になります。

貸し借りトラブルが起きやすい金額と関係性

トラブルになりやすいのは、数千円から数万円の少額です。「これくらいなら催促しにくい」という心理が働くからです。相手も「少額だから後でいい」と軽く考えます。こうして返済がうやむやになります。

関係性では、友人や恋人、家族など近い相手ほどもめやすい傾向があります。気心が知れているぶん、借用書も期日も決めないからです。親しさが、かえって油断を生みます。遠慮が催促をためらわせ、放置につながります。

この記事でわかることと読み進め方

この記事は、見分けて、理解して、行動して、防ぐ、という流れで進みます。最初に特徴と心理を押さえます。次に返ってこないときの対処法を段階で紹介します。最後に再発を防ぐコツでしめます。

急いでいる方は、対処法のセクションから読んでも大丈夫です。これから貸すか迷っている方は、特徴の章が役立ちます。自分の状況に近いところから読み進めてください。読む順番は自由です。

お金を返さない人に共通する7つの特徴

ここからは、お金を返さない人によく見られる特徴を紹介します。1つでも当てはまれば要注意というわけではありません。複数が重なるときに、リスクが高まります。貸す前のチェックリストとして使ってみてください。

1. 時間や約束にルーズで小さな約束を守らない

待ち合わせにいつも遅れる。一度決めた予定を簡単にキャンセルする。こうした小さなルーズさは、お金の約束にも表れます。返済日も「だいたい」で済ませがちです。

約束を守る感覚は、お金にも一貫して出ます。日常の約束に甘い人は、返済の約束にも甘くなります。逆に、時間に正確な人はお金にも律儀なことが多いです。普段の行動が、貸す前のヒントになります。

2. 金銭感覚が大雑把で計画性がない

給料日前にいつもピンチになる。欲しいものをすぐ買ってしまう。こういう人は、お金の流れを管理できていません。借りたお金も、気づけば手元から消えています。

計画性のなさは、返済の意思があっても結果に響きます。返す気はあっても、お金が残っていないのです。本人に悪気がないぶん、催促してもピンときません。お金を貸す相手としては慎重に考えたいタイプです。

3. 返済の話になると連絡が途絶える

ふだんは普通にやり取りできる。でも返済の話を出した途端、返信が遅くなる。電話にも出なくなる。これは、お金の話を避けたいサインです。

連絡を断つのは、向き合いたくない気持ちの表れです。返済の話題でだけ反応が鈍る人は、返す意思が薄い可能性があります。もし心当たりがあるなら、記録を残しながら接するのが安心です。やり取りの履歴が、後で大事になります。

4. 言い訳や責任転嫁が多い

「給料が遅れた」「急な出費があった」。返さない理由はいつも外側にあります。自分の判断ミスとは認めません。話すたびに理由が変わることもあります。

言い訳の多さは、お金以外の場面でも見られます。仕事や人間関係でも、責任を他人に向けがちです。約束を守れない理由を、いつも環境のせいにする人は、返済も後回しにします。理由の中身より、その姿勢に注目してください。

5. 過去にも貸し借りトラブルの噂がある

「あの人にお金を貸して返ってこなかった」。こうした話が周囲から聞こえてくることがあります。これは見過ごせないサインです。過去の行動は、これからの行動を映します。

うわさが事実とは限りません。それでも、複数の人から同じ話が出るなら注意が必要です。過去に同じトラブルを起こした相手は、繰り返す可能性が高いです。断る判断材料の1つとして覚えておきましょう。

6. 収入に見合わない見栄やプライドがある

収入は多くないのに、ブランド品や高い買い物が目立つ。SNSは派手な暮らしであふれている。見栄を優先するタイプは、手元の現金が不足しがちです。借りたお金も、見栄を保つために使われます。

プライドの高さも返済を遠ざけます。「借りていること」を認めたくないからです。見栄のための出費が多い人は、返済の優先順位が低くなります。生活の見た目と中身のギャップは、貸す前のヒントになります。

7. 「お金ができたら返す」と返済期限を曖昧にする

借りるときに期日を決めようとしない。「今度返す」「お金ができたら返す」と濁す。この言い方が出たら気をつけてください。期限のない約束は、守られにくいものです。

期日を決めないのは、返すタイミングを自分の都合に委ねたいからです。「お金ができたら」は、実質的に期限のない約束です。貸すなら、必ず具体的な日付を決めましょう。あいまいさが、後悔のもとになります。

お金を返さない人の心理とは?

特徴の裏には、その人なりの心理があります。心理を知ると、相手の行動が少し読めるようになります。責めるためではなく、対応を選ぶためです。代表的な3つの心理を見ていきましょう。

「借りたもの」より「もらったもの」と感じてしまう心理

時間がたつほど、借りた感覚は薄れます。最初は申し訳なく思っていても、だんだん「もらったもの」のように感じます。催促されないと、その傾向は強まります。記憶の中で、借金が贈り物にすり替わります。

この心理は、本人も自覚していないことが多いです。だから悪びれません。催促しないことが、相手の「もらった」感覚を育てます。早めに、やわらかく声をかけるのが効果的です。間が空くほど、言い出しにくくなります。

催促されない限り返さなくてよいという甘え

「相手が何も言わないから、急がなくていい」。こう考える人は少なくありません。沈黙を、許しと受け取ってしまうのです。返済はどんどん後回しになります。

これは相手の性格だけの問題ではありません。貸した側の遠慮も関係します。催促しない優しさが、返さない甘えを生むことがあります。気まずくても、返済の意思は早めに確認しましょう。確認は、関係を守る行動でもあります。

返さないこと自体に歪んだ満足を覚えるタイプ

数は多くありませんが、こういうタイプもいます。返さないことで、相手より優位に立った気になるのです。罪悪感が薄く、催促を軽くかわします。やり取りに違和感を覚えたら要注意です。

このタイプには、情に訴える方法は通じにくいです。お願いを重ねても、状況は変わりません。話し合いで解決しにくい相手には、記録と手続きで対応します。感情ではなく、事実と手順で動くのが安全です。

なぜお金を返さないのか?よくある理由

特徴と心理がわかると、次に気になるのは理由です。返さない背景には、いくつかのパターンがあります。理由がわかれば、打つ手も選びやすくなります。よくある3つを見ていきましょう。

経済的に困窮して返したくても返せない

借金が重なっている。収入が途絶えた。こうした事情で、返したくても返せない人がいます。本人もつらい状態です。催促が強すぎると、追い詰めてしまいます。

このケースでは、いきなりの法的手段は逆効果になりがちです。まずは状況の確認が先です。返せない事情があるなら、分割や期限延長の相談が現実的です。少しずつでも戻る道を一緒に探すほうが、結果につながります。

優先順位が低く返済を後回しにしている

お金はある。でも、ほかの支払いや遊びが先になる。返済はいつも最後に回されます。「来月でいいや」を繰り返すタイプです。悪意はなくても、戻ってきません。

このタイプには、具体的な期日の提示が効きます。「いつまでに」をはっきり伝えるのです。期限と金額を明確にすると、後回しがしにくくなります。あいまいなお願いより、はっきりした依頼が動かします。

そもそも贈与だと誤認している

「あれは貸したんじゃなくて、もらったと思っていた」。こんなすれ違いも起きます。貸した側と借りた側で、認識がずれているのです。期日も書面もないと、ここでこじれます。

このケースを防ぐには、最初の約束が肝心です。貸すのか、あげるのかをはっきりさせます。口約束ではなく、メッセージなど残る形で確認しておきましょう。やり取りの記録が、認識のずれを防ぎます。

お金を返さない人が迎えやすい末路

返さない行動を続けると、相手にも影響が及びます。短期的には得をしたように見えても、長い目では失うものが大きいです。ここでは起こりやすい3つの結果を紹介します。貸した側が知っておくと、対応の判断にも役立ちます。

周囲の信頼を失い人間関係が壊れる

一度「返さない人」と認識されると、評価は簡単には戻りません。友人も家族も、距離を置き始めます。お金の問題は、人柄の評価に直結します。失った信頼の回復には時間がかかります。

信頼を失う影響は、貸し借りの場面だけではありません。お金にだらしない印象は、人間関係全体に広がります。仕事の付き合いに影響することもあります。たった1度の不誠実が、長く尾を引きます。

新たに貸してもらえず孤立していく

返さない評判が広がると、いざというときに頼れる人がいなくなります。本当に困ったときほど、誰も手を貸してくれません。これは大きな痛手です。孤立は、生活の安心を奪います。

人は、過去の行動で相手を判断します。返さない実績が積み重なると、信用そのものが失われます。お金は戻せても、なくした信用はすぐには取り戻せません。目先の得が、将来の損になります。

法的措置で財産を差し押さえられる

請求を無視し続けると、相手は法的手段に動きます。判決が出れば、給料や預金が差し押さえの対象になります。職場に手続きが知られる可能性もあります。放置のリスクは、想像以上に大きいです。

差し押さえは、最後の手段として実際に行われます。「払わなければ大丈夫」という考えは通用しません。話し合いのうちに対応するほうが、双方にとって負担が軽くなります。早めの誠意が、最悪を避けます。

お金が返ってこないときの対処法【段階別】

ここからは、実際に返ってこないときの動き方です。いきなり裁判ではありません。やわらかい方法から、段階を踏むのが基本です。順番に試していきましょう。

まずは記録を残して冷静に督促する

最初の一歩は、感情的にならないことです。やり取りはLINEやメールなど、形に残る方法を選びます。後の証拠になるからです。日付や金額を、こまめにメモしておきましょう。

催促の言葉は、責めるより事実を伝える形が効果的です。文例を1つ挙げます。

先日お貸しした30,000円の件です。
来月の15日までにご返金いただけると助かります。
難しいようなら、相談させてください。

このくらい穏やかでも、意思は十分に伝わります。最初から強く出る必要はありません。まずは静かに、でもはっきりと伝えるのがコツです。記録を残しながら進めましょう。

返済計画の再提案や分割に応じる

相手にお金がない場合、一括の請求は現実的ではありません。そんなときは、分割や期限の延長を提案します。少しずつでも戻る形を作るのです。回収のハードルが下がります。

無理のない計画は、相手も応じやすくなります。完璧な一括返済より、確実な分割返済のほうが回収につながります。合意した内容は、必ず書面やメッセージに残してください。口約束は、また同じ問題を呼びます。

内容証明郵便で正式に請求する

穏やかな催促が効かないときは、内容証明郵便を使います。これは、いつ何を請求したかを公的に記録する手紙です。相手に届いた証拠も残ります。受け取った側は、無視しにくくなります。

内容証明には、心理的な効果もあります。「本気だ」という意思が伝わるからです。弁護士の名前で送ると、相手はより重く受け止めます。この段階で返済に応じるケースも少なくありません。次の手続きへの橋渡しにもなります。

法的手段でお金を取り返す方法

内容証明でも動かないなら、法的手段を検討します。少額の貸し借りでも使える方法があります。費用や手間は方法ごとに違います。表で整理してみましょう。

手段 特徴 向いているケース
民事調停 調停委員を交えた話し合い 関係を保ちつつ解決したい
支払督促 簡易裁判所への申立てで督促 相手が争わない見込み
少額訴訟 60万円以下を原則1回で審理 少額で早く決着したい
通常訴訟 争いが大きい場合の裁判 高額や争点が複雑

民事調停と支払督促の違い

民事調停は、話し合いで解決を目指す手続きです。裁判官と調停委員が間に入ります。お互いの言い分を聞きながら、合意点を探します。関係を壊したくない場合に向いています。

支払督促は、話し合いではありません。簡易裁判所を通じて、相手に支払いを促す手続きです。相手が異議を出さなければ、手早く決着します。ただし異議が出ると、通常の裁判に移ります。相手の出方を読んで選びましょう。

少額訴訟が使えるケースと費用の目安

少額訴訟は、60万円以下のお金の請求に使えます。原則として1回の審理で判決が出ます。一般の裁判より、短い時間で終わります。費用も比較的おさえられます。

手続きは、簡易裁判所で行います。専門家に頼まず、自分で進めることも可能です。少額で早く解決したいなら、少額訴訟が有力な選択肢です。必要な書類は裁判所の窓口でも案内してもらえます。まず相談から始めると安心です。

弁護士・司法書士に依頼する判断基準

金額が大きい場合や、相手と直接やり取りしたくない場合は、専門家に頼む方法があります。代理人が請求や交渉を引き受けてくれます。手間と心の負担が減ります。ただし費用はかかります。

費用と回収額のバランスが判断のポイントです。少額なら自分で、高額なら専門家に、という分け方が目安です。司法書士は扱える金額に範囲があります。弁護士はより広い案件に対応できます。状況に合わせて相談先を選びましょう。

借用書がなくてもお金は取り返せるのか?

「借用書がないから無理だ」とあきらめる人がいます。でも、それは早とちりです。借用書がなくても、回収できる可能性は十分あります。ここで証拠の考え方を整理します。

証拠になるもの(LINE・振込履歴・録音)

証拠は、借用書だけではありません。お金を貸した事実がわかるものなら、何でも手がかりになります。LINEやメールのやり取りも有力です。「貸して」「ありがとう」の一言が役立ちます。

ほかにも使えるものがあります。

  • 銀行の振込履歴や送金記録
  • お金の話をしたときの録音
  • 返済を約束したメッセージ
  • やり取りを見ていた第三者の証言

複数の証拠を組み合わせると、貸した事実を示しやすくなります。普段から、こまめに記録を残しておきましょう。

口約束でも貸金契約は成立する

法律の世界では、口約束でも貸し借りの契約は成立します。書面がなくても、約束は有効です。これは多くの人が知らないポイントです。借用書がないことは、あきらめる理由になりません。

ただし、約束があったことを示す必要はあります。だから証拠が大事になるのです。口約束は有効でも、証明できなければ請求は通りにくいです。証拠集めと約束の有効性は、セットで考えてください。両方そろうと、回収の道が開けます。

証拠が乏しいときにできること

手元に証拠が少なくても、できることはあります。まずは、これからのやり取りで証拠を作ります。返済の話をメッセージで残すのです。相手の返信が、有力な記録になります。

少しでも振り込みがあれば、それも貸した事実を裏づけます。わずかな入金や一言の返信が、決め手になることがあります。あきらめる前に、専門家に相談してみてください。状況に合った集め方を教えてもらえます。

知らないと損する「消滅時効」の注意点

お金の請求には、期限があります。これを消滅時効といいます。放っておくと、請求する権利そのものが消えます。ここはとても大切なので、しっかり押さえましょう。

2020年の民法改正で時効は原則どう変わったか

時効のルールは、2020年4月1日に施行された民法で整理されました。基準は民法166条です。現在は、次の2つのうち早いほうが適用されます。改正前と後で、扱いが分かれます。

時期 個人間の貸し借りの時効
2020年3月31日以前の契約 原則10年
2020年4月1日以降の契約 原則5年

具体的には、権利を行使できると知った時から5年です。あるいは、権利を行使できる時から10年です。返済期日を決めていれば、その翌日から5年が目安になります。古い情報のまま「10年ある」と思い込むと損をします。

個人間の貸し借りでも時効は成立する

「友人同士の貸し借りなら時効は関係ない」。これは誤解です。個人間のお金にも、時効はしっかり適用されます。放置すれば、請求できなくなります。気づいたら手遅れ、という事態もあります。

だからこそ、早めの行動が大切です。時効が完成する前に、請求や手続きを進めましょう。いつ貸したか、期日はいつかを確認してください。日付の把握が、時効対策の第一歩です。

時効を止める更新・完成猶予の方法

時効は、何もしなければ進み続けます。でも、進行を止める方法があります。1つは、相手に借金を認めてもらうことです。もう1つは、裁判上の請求をすることです。

内容証明郵便にも効果があります。送ってから6か月間は、時効の完成が猶予されます。時効が近いときは、まず内容証明で時間を確保しましょう。ただし猶予は一時的です。その間に、次の手続きへ進めるのが安全です。

もうトラブルを繰り返さないための予防策

返ってこない経験は、二度としたくないものです。予防は、貸す前の心構えで大きく変わります。難しいことではありません。3つのコツを覚えておきましょう。

あげるつもりの金額しか貸さない

お金を貸すときは、戻らない前提で考えます。「これは返ってこなくても困らない」という額だけにするのです。そうすれば、もし返らなくても関係は壊れません。心の余裕が生まれます。

大きな額を頼まれたら、いったん立ち止まりましょう。本当に貸す必要があるかを考えます。生活に響く額は、たとえ親しい相手でも貸さないのが安全です。断る勇気が、自分も相手も守ります。

借用書と返済期日を必ず決めておく

少額でも、約束は形に残しましょう。借用書まで作らなくても、メッセージで十分です。金額、貸した日、返す期日を書いておきます。後のすれ違いを防げます。

期日は「具体的な日付」で決めるのがコツです。「お金ができたら」では、いつまでも返りません。金額と期日を最初に決めることが、最大の予防策です。あいまいさを残さない。これが基本です。

関係性より条件を優先して断る

「断ったら気まずい」。その気持ちはわかります。でも、無理に貸して関係が壊れるほうがつらいものです。気まずさは一時的です。お金のしこりは、長く残ります。

断り方は、責めずに事情を伝えるだけで十分です。「今は余裕がなくて」と正直に言えばいいのです。貸さない選択は、冷たさではなく自衛です。条件が合わないなら、はっきり断りましょう。

よくある質問(FAQ)

最後に、よく寄せられる疑問にまとめて答えます。実際の場面で迷いやすいポイントを選びました。気になるところから読んでください。

少額でも訴えることはできますか?

できます。60万円以下なら、少額訴訟という手続きが使えます。原則1回の審理で結果が出ます。費用も大きな裁判より軽くすみます。数万円の貸し借りでも対象になります。

ただし、貸した事実を示す証拠は必要です。やり取りや振込履歴を準備しましょう。金額が小さくても、泣き寝入りする必要はありません。まずは簡易裁判所に相談してみてください。

お金を返さない相手を警察に相談できますか?

基本的に、お金の貸し借りは民事の問題です。返さないだけでは、警察は動きにくいのが実情です。これは「民事不介入」という考え方によるものです。トラブルの多くは、自分で解決を進めます。

ただし、嘘で人をだましてお金を取った場合は別です。詐欺にあたる可能性があります。だます意図があったなら、警察への相談も選択肢になります。判断に迷うときは、専門家に確認しましょう。

「お金がない」と言われたら諦めるしかないですか?

諦める必要はありません。一括で無理なら、分割という方法があります。少しずつでも返してもらう形を作りましょう。合意した内容は、記録に残してください。

相手に資産や収入があるかも確認します。財産があれば、法的手続きで回収できる場合があります。「お金がない」が、本当にないとは限りません。まずは状況を冷静に見極めましょう。

借りたお金を返さないのは罪になりますか?

返さないこと自体は、ふつうは犯罪になりません。あくまで民事の問題として扱われます。だから請求や裁判で解決します。刑事罰の対象ではないのが原則です。

ただし、最初からだますつもりで借りた場合は別です。詐欺罪が問題になることがあります。返す気がないのに借りる行為は、犯罪になる可能性があります。悪質なケースでは、専門家に相談してください。

連絡が取れなくなった相手から回収する方法はありますか?

あります。まずは内容証明郵便を、わかっている住所へ送ります。届けば、請求した証拠が残ります。連絡を無視しても、手続きは進められます。

相手の居場所や勤務先がわからないときは、調査が必要になることもあります。連絡が途絶えても、回収を進める手段は残っています。1人で抱え込まず、専門家の力を借りましょう。

まとめ

お金を返さない人には、時間にルーズ、計画性がない、期限を濁すなどの共通点があります。複数が重なるときは、貸す前に立ち止まる合図です。すでに貸してしまったなら、記録を残しながら穏やかに督促し、効かなければ内容証明、そして少額訴訟へと段階を踏みます。借用書がなくても、やり取りや振込履歴が証拠になります。時効は2020年以降の契約で原則5年なので、放置は禁物です。

今回は触れませんでしたが、高額を貸すなら公正証書を作っておく方法もあります。これは、いざというとき差し押さえを進めやすくする仕組みです。まずは手元のLINEや振込履歴を見返して、いつ・いくら貸したかを書き出してみてください。日付と金額を整理することが、回収への確かな一歩になります。

参考文献

  • 「民法改正・これって時効?」-「神奈川県弁護士会」
  • 「民法第166条(債権等の消滅時効)」-「e-Gov法令検索」
  • 「少額訴訟」-「裁判所」
  • 「お金を返さない人の対処法やおすすめの回収方法を弁護士が解説!」-「法律事務所リーガルスマート」
  • 「貸したお金を返してもらうには?催促方法や対処法について詳しく解説」-「弁護士法人 東京新橋法律事務所」
  • 「お金を貸してはいけない人の7つの共通点」-「ファイナンシャルフィールド」